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2004年3月25日(木) ![]() | 建築主と職人の関わり建築主が出来上がった新居に住んでみて、不具合が出るのを嫌がるのは、それだけ自分の家だと言う気持ちが大きいからです。だからその不具合を直してくれる職人さんを決して悪くは思わないし、むしろありがたがるものだ、と聞きます。 一括請負の場合、引き渡しまでは『工務店の家』で、引き渡した後は『建築主の家』というふうに線引きされます。工務店は工事中いろいろな問題を解決しながら、完成までこぎつけるのですから引き渡すときには『かわいい我が子』のような気持ちで引き渡すのでしょう。 建築主は、完成するまでほとんど我が家のことを知りません。引き渡されたあとからだんだん家に対して愛着がわいてくるものなんでしょう。子供が生まれる時の、母親と父親みたいな気持ちなのでしょうか? 娘が生まれて我が子を初めて抱いたときは、これからがんばらなくては、と思いました。確かに子供の病気を治してくれるお医者さんや勉強を教えてくれる先生は、とってもありがたい存在です。家は一生に一度のものだからほんとに我が子のように思えるんでしょう。 生みの親である工務店ははたして建築主の気持ちに勝てるのか?下請け業者さん任せでできた家です。引き渡してしまうと段々疎遠になってしまうし、メンテに行くときも『お宅の家』を直しにきましたって感じでしょう。だんだんギャップは広がっていきます。これも一括請負の弊害でしょうか? オープンシステムは、どうでしょう?建築主が職人さんに分離発注する形式だから計画時から竣工まで関わるわけで、ずっと『MyHome』ですね?建築士もずっとそうありたいですが、現実的には業務委託契約者です。やっぱり施主の気持ちには勝てません。実際に造った職人さんたちはどうでしょうか?自分が施工した部分を元請として引渡したからには、という気持ちでいてくれるのでしょうか?建築士と職人さん、タックを組み協力しながらメンテナンスにあたらないと、やっぱり育ての親の気持ちには到底追いつけないんじゃないかと思います。 ということは、着工から家づくりに途中参加してくる職人さんと施主さんが自然にうまく関わりあえる方法を何か見つけてあげなくては、と思うのです。これは、マネージメントする建築士の仕事です。 どんな関わり方ができるんでしょう?まず『工事請負契約』時、これは施主さんと職人さんが初めて面と向かって調印を交わすときです。少し打合せなんかできる時間がとれれば、お互いに人となりがわかるのでは。 『工程会議』はどうでしょう?ふつうは施主は参加しませんが、べつに参加して悪いわけでもなく、分離発注を考えると、施主の代理で建築士が進めるべき会議でもあるわけで、でも現実的には時間が合いそうにないし、施主さんの参加は難しいですね? 『竣工時引渡式』、これは当然専門工事会社さんは施主さんに工事した部分を各々引き渡さなければいけないと思います。マネージメントした建築士も工事管理・監理業務の成果を引き渡します。このときに職人さんは工事の報告と今後のメンテナンスの留意点を説明するべきで、施主さんはこれが最後の機会ですから大いに質問があるはずです。 「漆喰は水拭きできるから、ちょくちょくやったらいいよ」 「建具が開きにくくなったら呼んでください。たてつけなおすから」 「電気配線のバスラインはこの壁から2階に行ってます。増やしたい場合はここをいじることになりますのでご注意ください」 建築主と職人が関わりあうことって、少ないですよね?さっと考えても契約時・現場での巡回時・引渡し時の3回程度です。やはりもっと関わりあう機会を作ってあげないといけないと思います。 | 分離発注の値打 (その他の体験ブログ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |