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2004年7月3日(土) ![]() | 工事請負金額と実行予算『予算4000万円でお願いします。』と言われると、はたと考えてしまいます。 一括請負の場合は、めでたく契約です。4000万円は『工事請負金額』です。しかし、オープンシステムでは、4000万円でお願いされるのは、我々OS建築士でもあり大工さんでもあり左官さんでもありそれぞれに分離発注されて支払われます。しかもほとんどの金額は、工事を着工する直前に決定されます。『工事請負金額』になるのが遅いのです。 最初に支払われる我々OS建築士の業務委託契約金は、建築主に委託されオープンシステム業務を行う報酬料であって、決して全部の工事を請け負っているわけではありません。『工事予算』の中には含まれますが『工事請負金額』中には含まれません。 一括請負は、最初に『工事請負金額』を決めますが、これは工務店なりハウスメーカーといった元請会社が交わすわけで、元請会社はこの工事をいろいろな専門工事会社に下請けに出して、代金を支払います。この合計は実行予算と呼ばれ、この実行予算と請負金額の差額が元請会社の利益となります。 この利益幅は柔軟です。あるときは工事中のトラブルでどうにもできない場合の予備費にも当てられますし、施主からの強い要望、例えば設計変更などになんとか対応する費用にもできます。現場監督は、実行予算を守ることが至上命令ですが、守れなかった場合はやはりここが削られることになるわけで、この仕組みのおかげで、実際の工事金額が判らなくても、前もって建築主と契約が可能です。 しかし、オープンシステムの場合は、実際に工事する専門工事会社さんと請負契約をするわけで、これは工事着工の直前になります。この合計がそのまま『工事請負金額』となるわけです。工務店でいう『実行予算』がそのまま工事金額となる点が良いところでもあるのですが、これが決定する時期が遅れるデメリットも併せ持っています。設計の段階では、はっきりした建築費がでないのです。 これまでの経験や実績から大体の建築予算を出すのは可能ですし、建築主の予算に添うようにプランを考えて提案していくのが我々の仕事です。 建築自体大きなものですから、グレードを少しUPするだけでも、だいぶ金額が変わってきます。仕様や設備に関しても同様です。少し使い勝手を向上させるような仕組みを盛り込んだりしたら、実際の工事費が少しぼやけてきます。そのあたりのバランスを建築主と一緒に考えながら、オープンシステムを進めて行くことが、価格の見える家づくりの価格の見える所以だと思います。 オープンシステムは、建築主が一時工務店の社長になり有能なOS建築士を社員として雇い専門工事会社に下請けに出して自社を建築するような仕組み、とよく例えられます。一時工務店の社長は、『実行予算』と『OS建築士の報酬料』で家を建てられることになります。 ■工務店の場合 『予算』=『工事請負金額』から 4,000万円 『利益』を引いて 1,000万円 『実行予算』を設定 3,000万円 ■オープンシステムの場合 『予算』は 4,000万円 『OS建築士の報酬料』と 600万円 『工事請負金額』=『実行予算』 3,400万円 工務店では、 『予算』=『工事請負金額』>『実行予算』 オープンシステムでは、 『予算』>『工事請負金額』=『実行予算』 であることが、上の条件から、わかりました。 また『実行予算』を増やすためには、工務店の利益よりも安くて有能なOS建築士を雇うこと、ですね。書いててやっとわかりました。がんばります。 | 住宅の価格 (その他の体験ブログ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |