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建築の - 分離発注の値打

2004年9月15日(水)

工事契約会@工事契約会@


工事契約会@


オープンシステムでは、建築主が専門工事会社に分離発注します。だいたい20〜30業者さんと個別に工事契約を結ぶのです。これを個別に契約していこうとすると大変です。ですので大抵は、こうやって工事契約会として一同に会してもらって契約するのです。

工事請負契約書は山中設計で用意しますがこれが結構大変です。契約概要・保証書約款・協定書・図面等々、冊子にすると結構な分厚さになります。それぞれの専門工事会社さんによって図面の種類が違います。建築主の分は、全部の業者さんの分をまとめるのでさらに辞書みたいな分厚さになります。

調印式には、1社さんづつ前の施主さんの席まで出てきてもらい、お互いに印鑑を交わします。このときが施主さんと職人さんのファーストコンタクトです。

『○○板金です。板金工事をやらせてもらいます』
『そうですか、宜しくお願いします。』

これまで見積書の紙面でしか知らなかった業者さんと初めて顔をあわせるわけですが、調印にはさほど時間はかかりません。一言二言交わすだけで終わってしまいます。

これで工事に入ったら、現場でばったり会うことがあるかもしれません。これが2度目です。竣工式でおめでとうございますと言葉を交わすのが3度目です。3度会ってれば4度目の再開(メンテ)時にはうまくいくのでは?と思うのですが、どうでしょう。

少なすぎるような気がします。我々OS建築士は、建築主の代理ですから我々が常に業者さんとコンタクトを取っていれば問題なく現場は進むでしょうが、建築主の分離発注という基本からいけば、工事をしてくれる人が仕事に対してどんな考えを持っているのか?くらいはせめて知っておきたいと思ってもらいたいところです。

以前M邸の竣工式で、施主さんが『こんなことならもっと早く聞いておきたかった』と言われてた事件がありました。工事が無事完了し酒も入って、普段あまりしゃべらない職人さんたちからメンテのためのいろいろなアドバイスや、仕事に対する思いなどがどんどん聞けたからだと思います。

この事件を受け蔵本さんは、今回の現場が始めてのこころみですが、竣工式の後の親睦会を企画しました。工事開始の前に職人さんと話がしたい、との施主さんの希望もありました。10数社さんの参加がありましたが、自由参加とはいえ、それぞれ参加費自分持ちで強制参加の色合いも無くもないかも知れません。

しかし、親睦はかなり深まったと思います。職人さんの間を施主さんがどんどん廻っていかれます。契約会ではできなかった突っ込んだ話もできたことでしょう。職人さんもお互いに飲むような機会もあまり無いので職人さん同士の親睦も深まったようです。

左官さんはさすがに大工さんの左には座りませんでしたが、棟梁をたてるような言動が見られます。建具屋さんと塗装屋さんが茶室のあり方について語り合っていました。サッシ屋さんとユニットバス屋さんが、会社の待遇について暴露しあっています。

竣工式では、もう仕事も済んで建物ができあがっていますから、なかなか本音の部分が聞き出しにくい気がします。これから仕事、というときにこうやって『これから宜しくお願いします』といえる機会があるのは、いいことだと思いました。案外、職人さんも工事中にはことわるような仕事も、職人気質でひきうけちゃうかも知れませんね。

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