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2005年9月2日(金)

『価格が見える』新方式の家づくり『価格が見える』新方式の家づくり


『価格が見える』新方式の家づくり


産経新聞
新築リフォームで失敗しないために・・・


 「夢のマイホーム」とは言い古された言葉だが、住まいに夢を託すのは、今も昔も同じこと。近ごろは、「大きなテーブルが置ける、広いリビングを」「趣味を楽しむための部屋がはしい」と、夢にも具体性が加わり、住む人の暮らしに沿う家が求められている。

 そんななか、全国の建築士がネットワークを組んで実践する、新しい建築の仕組み「オープンシステム」が脚光を浴びている。施主(家を建てる人)に具体的な工事の内容など、必要な情報をすべてオープンにするシステムで、価格がはっきりと見え、小さな要望にも対応してくれる。また、トラブルの原因になりかねない手抜き工事などを食い止めることにもつながる。新築やリフォームの際の、新たな選択肢″になっている、このシステムの魅力を探ってみた。

今、注目の「オープンシステム」
施主に情報をすべて開示


 「家は、一世一代の大きな買い物。にもかかわらず、従来は誰がどんな工事を行い、また価格の内訳がどうなっているのか、施主にとっては見えにくいシステムがとられてきました。それらの情報をすべてオープンにして、施主も主体性をもって家づくりに参加すれば、より満足度の高い家をつくれるのではないか…。それがオープンシステムの基点です」

 オープンネット梶i鳥取県米子市)の山中省吾社長はこう話す。

 同社は「オープンシステム」の理念に共感する建築士のネットワークを構築。現在会員登録している設計事務所は全国で303社に及ぶ。
 「オープンシステム」とは、施主と建築士、工事専門業者が対等なパートナー″となって家づくりを進める新しい仕組み。テレビや雑誌などでも、最近取り上げられるようになり、業界に一石を投じる新システムとして、注目を集めている。

 「オープンシステム」の利用者の中心は三十歳代。この層は、「団塊の・世代」の子供たちの「団塊ジュニア世代」に当たる。自分のライフスタイルにこだわりをもつこの世代は「戸建て志向」が強く、家にも「自分らしさ」を求める。オープンシステムの利用者が多いのも、この方式を活用した家づくりが、自分の意思を反映させやすいからのようだ。

 「かつては自分の域″をもつこと自体が目的でしたが、ここ数年は、お仕着せの家ではなく、自分らしく暮らせる空間″が求められるようになりました。それは団塊ジュニアにとどまらず、各年代にも広がりつつあります」(山中氏)。

 従来の建築の多くは、住宅メーカーや工務店などの元清け会社が一括して作業を請け負い、下請けの専門業者が工事を行う、という図式だった。つまり施主にすれば、ほとんど人任せで家がつくられていることになる。

 この「元請け」の部分を取り払ったのが、「オープンシステム」。建築士には、設計や現場監理の業務を委託。基礎や足場、大工、左官、内装、電気・水道といった専門の工事を請け負う複数の業者とは、施主が直接契約を結ぶ「分離発注」となる。

 こういうと、何やら難しそうに聞こえるが、依頼主は「特別な知識をもたなくても大丈夫」(山中氏)だという。

 家づくりの主体はあくまでも施主だが、建築の専門家である建築士がパートナーとなり、設計はもとより、業者の選択に関しても随時アドバイスを受けられる。建築士は、施主の意見を反映させて念入りに仕上げた設計図をもとに、各専門業者から見積もりを取り、技術力なども分析したうえで、最終的に工事を任せる業者を選定する。

 ただし、契約を結ぶのは施主。だから、必要な情報はすべて開示される。中間業者を通さないので、業者の見積もりそのものが費用となり、余分なコストが抑えられる。価格が明確にわかるから、費用面のプランも立てやすくなる。

 あらかじめ規格化された住宅などは、オプションを加えていくと、次々と追加料金が加算されていく。希望があっても、予算面からどこかで妥協せざるを得なくなるケースも多い。「オープンシステム」は設計の段階で希望をきっちり盛り込んでおくため、妥協や追加費用の必要がないのも、大きな特徴だ。

夢がかなう独自の設計
一級建築士がパートナー


 「そもそもこのシステムは、私自身が十数年前に、あるレストランの設計で活用したものなんです」−自らも一級建築士として、多くの現場を経験してきた山中氏は話す。

 「施主の希望どおりに完成させるには、価格面でどうしても折り合いがつかず、苦肉の策として、工務店を通さずに責門業者と直接仕事を進めたところ、これが大成功を収めたのです」

 実際、工務店を通じた時よりも、三割以上コストが下がったという例もあるという。ただ、オープンシステムを活用した時のメリットは、コスト面よりも、品質面にあると山中氏は強調する。

 今、世間をにぎわせている「欠陥住宅」。あやふやな基礎工事のために傾いた家、防水が不十分で壁や天井が腐敗していく家、また有害物質を含んだ建材の使用によるシックハウスなど。くつろぎの場であるはずのわが家が、心身をむしばむストレスの元凶に。そんな例が多々報告されている。

 これらは、業者間のなれ合いによる手抜きや、極端にコストを抑えた建築プランによるところが大きいという。

 最低限必要とされる人件費まで抑えようとするため、工事の進捗状況を現場監督がチェックしなかったりなど、「悪しき慣習や、過度の合理化による弊害」と、山中氏は自らが属する建築業界の問題を指摘する。

 オープンネットの建築士は、設計どおりに工事が行われているか、細部に至るまで責任をもって監理する。また、専門業者も自らの腕がはっきれと評価されることになるので、手抜きはできない。

 「関わった人すべてが、プロ意識を持って、最高のものにしようと努力するので、作り手が生き生きしてくるんです」と山中氏。「安く作れ!」という指示だけで、どこか納得いかなかった…という専門業者も、本来の力を発揮できるので、仕事が楽しくやりがいが生まれるという話も。

 専門家の技術と努力が結集されてできあがった家は、施主にとってもすこぶる満足度の高いものとなる。「いい仕事をしてくれたすべての人に、完成した家をぜひ見てほしい」と、施主自身が竣工パーティーを開いて、工事に携わったすべての専門業者の人を招く例が多いというのは、その表れだろう。

 オープンネットでは、建築士向けの講習会を定期的に各地で開催し、情報交換やレベルアップに努めている。また、より高い技術をもつ専門業者の育成のための基準づくりなど、さらなる発展につながる取り組みも進めている。

 設立当初の98年、オープンシステムによる住宅の着工数は、年間わずか十二件。それが今年は500件を上回る勢いで伸びてきているという。住まいへの充足感と安心を求める気運の高まり。それとともに、今後ますます浸透し、家づくりの一つの方式としてしっかり定着することを予感させる。

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