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建築の - 住宅の価格

2008年8月16日(土)

外張り断熱外張り断熱

外張り断熱工法外張り断熱工法

充填断熱工法充填断熱工法

施工の問題点施工の問題点


外張り断熱


日本の住宅には充填断熱が良いか、外張り断熱が良いか、人によっていろいろ意見が別れる難しい問題です。これまでは圧倒的に壁の中に断熱材を入れ込む充填断熱が多かったのですが、ここにきて外壁をすっぽり包み込む充填断熱の採用も普通になってきました。

いろいろな要素が重なっている問題なので、優劣のつけようが難しいのが現状です。どちらが良いかと聞かれるとどちらも良いという以外なく、外張断熱のメリット・デメリットを説明します。

メリット
1. 断熱気密施工が楽で安定した施工品質を得やすい。
2. 結露が起きにくい
3. 熱橋(ねっきょう)が少ない
4. 柱や壁の構造体を現しにするデザインにできる。
5. 木部の調湿性能が得やすい。
6. 壁内の配線・配管が楽。

デメリット
1. 充填断熱よりコストがかかる。
2. 壁厚が厚くなる。
3. 火災に弱い。
4. 施工に慣れていない職人が多い。
5. 外壁材に制限がある。 
6. 複雑なデザインには向いていない。

あとは、建築主の考え方次第ですが、断熱材の性能という点では数値的なひとつの判断材料としてR値(熱抵抗)があります。R値は、熱の逃げにくさを示す数値(熱抵抗値)で、このRが大きいほど熱が逃げにくく、優れた断熱材といえます。

熱抵抗値R=断熱材の厚さ(mm)÷1000÷熱伝導率(W/mK) で算出できます。

熱抵抗(R値)の表
材 料(種類)厚さ100mmの熱抵抗R


10Kグラスウール1.92
(実際には)1.15
高性能グラスウール2.50
セルロース吹付け2.50
高性能発泡フェノール4.76
発泡ポリスチレンB12.50
発泡ポリスチレンB33.57
硬質ウレタン3.57

杉・桧0.86


次世代省エネレベルでは、壁に関してはR2.2以上が必要、となっています。これは、充填断熱のR値で、外張り断熱では「R値は1.7」で良いことになっています。

充填断熱の時は、壁にR2.2を充填したとしても、木造住宅ではR0.86しかない柱、間柱などの木材部が壁の面積の約17%も占めるので、その分の断熱性の目減り分を入れて計算すると、壁全体のR値は1.7程度になります。

その1.7は、まさに次世代省エネ基準レベルと同じです。つまり、R2.2の充填断熱とR1.7の外張り断熱では、断熱性能はほぼ同じということになります。

これで、同じ断熱材であれば外張り断熱のほうが充填断熱よりも薄く出来るということが判りましたが、問題は施工です。

一般的に、外張り断熱に使う断熱材は、発泡スチロールのような、まさにあんな感じなんです。それを外壁に貼り付けて外壁を持たせようとすれば、それ自体には強度は全く期待できないので、断熱材を通り越して壁まで届く長い、長いビスで止めなければなりません。あまり厚い断熱材を使うと、重みに耐えきれず「ビスが持たない」のです。

外張り断熱の普及に伴い、こういった問題もクリアする施工法や新建材などがどんどん出てきています。断熱性能のみに着眼しての話になりましたが、結露の問題などまだまだあります。外張り断熱か充填断熱かは、難しい選択かもしれませんが、最良の材料としっかりした施工が不可欠のようですね。

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