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2008年10月16日(木) ![]() ![]() ![]() | 現場HP私が山中設計に入所した2004年頃は、オープンシステムも知名度があがり安定期に入った感がありました。問い合わせて来られる建て主も『価格の見える家づくり』などを読んでおられて、オープンシステムに関する基本概念を良く理解されていましたし、工事に関わる専門工事会社も、建て主から直接仕事をもらうのだというCM分離発注のやり方を理解してくれているように感じました。 ところが、いざ工事が始まってみると、微妙なニュアンスのずれというかこれまでの現場の慣習といった障害が目に付き、居心地の悪さみたいなものを時々感じる場面がありました。 例えば、私たちCMr建築士の立ち位置です。図面どおり工事が行われているかの監理はしますが、職人さんによっては工務店の工事管理と混同されて、監督さんと呼ぶ人もいます。 オープンシステムの考え方からすると我々は、分離発注をする建て主のサポート役なのに、建て主からも『お宅の工事で出来ますか?』といった微妙にニュアンスのずれた会話が聞かれたりします。 こういった、微妙なニュアンスのずれはどうすれば改善できるのか?CM分離発注は、建て主・CMr建築士・専門工事業者といった多数が関わります。多数の集まりなのに部分的に個別にしか会話できない、全体に伝わらない風通しの悪さみたいなものが原因しているのだと思いました。 請負では、工務店が現場で工程会議を行います。同じようなことをしていても中間のコストを省けたことにはなりません。なんとか手間を掛けずに行えないか、建て主との打ち合わせも工事関係者に全て公開したら話が早い、と思いついたのが、インターネットの利用です。 『出雲郷の住宅』の建て主は、IT関係に強かったことも幸いし、理解も得られました。 まず、工事関係者全員が参加するメーリングリストを作りました。建て主からのダメ出しも全て公になるので、少し心配でしたが、それにもまして収穫は大きなものでした。 建て主から収納を変更したいとのメールが来ました。そこで、図面を描き変えて、このようになら変更できます、と添付して返信しました。 このやり取りをメーリングリストで行うことで、次の日現場に行ってみると、『こんな風にしかできないけど、どうする?』と大工さんに相談される、といった具合です。 理想的には、専門工事会社からの意見メールもどんどん来て、活発なやり取りが交わせるようなメーリングリストになればと思っていますが、現在のところは建て主と建築士のメール交換が主です。 それでも、専門工事会社にとっては、建て主が建築士に相談している最初を知ることが出来ますので、経緯が理解でき一体で工事を進めている感が生まれます。 建て主にとっても、自分の要望が直接工事関係者に公開されるので、工務店の営業マンに変更を交渉するような感覚とは違った分離発注の体制みたいなものが見えてきます。 次に『出雲郷の住宅』専用の現場HPを作成し、工事報告及び工程表を毎日UPするようにしました。メーリングリストに報告し、チェックを促します。電気工事などはタイムリーなチェックが必要なので、現場に確認に行く回数が減るといって喜ばれますし、こちらも「明日来て」といった無理な催促が減ります。 また、最新の図面をUPして、必要な時に必要な人がダウンロードできるようにしました。工程表同様、変更等があれば変わっていくものですから、常に新しい図面を工事業者にお渡しできます。 ※以上のHPは守秘義務のため認証が必要なサイトにしています。 | 分離発注の値打 (その他の体験ブログ) ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |