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建築の - 分離発注の値打

2010年5月26日(水)

@地場の工務店で@地場の工務店で

A大手のハウスメーカーでA大手のハウスメーカーで

B設計は設計事務所に、施工は地場の工務店にB設計は設計事務所に、施工は地場の工務店に

CオープンシステムでCオープンシステムで

パターン別に見た予算2000万円の住宅の経費と工事原価パターン別に見た予算2000万円の住宅の経費と工事原価


家づくりのパターンと工事原価


@地場の工務店で

最も多い家づくり。全休の70%くらいがこの方式でつくられています。もともと近所の大工さんや左官さんなどに頼んで達てていたものが、1960年ころから大工さんに代わって、工務店が元請けとなって請負契約を交わすようになりました。でも、造っているのは、専門工事会社(下請け)の人たちです。

A大手のハウスメーカーで

地場工務店に代わって、近年急速に増えてきました。全体の30%弱がこの方式で家を建てています。大手ハウスメーカー専属の地場工務店が下請けとなり、専門工事会社に孫受けをして外注します。@より一階層増えた建設業独特の多重下請け構造です。

B設計は設計事務所に、施工は地場の工務店に

建築家に設計を依頼して、工務店と請負い契約を交わして建てる方式は、しだいに増えつつありますが、まだまだ少数派です。建築家が設計しても、工事を一括で発注するので、価格は不透明です。

Cオープンシステムで

我々が実践している分離発注方式です。1992年に山中設計が始め、次第に全国で採用されるようになりました。最も新しい家づくりです。施工業者と利害関係のない建築家が施主の委託を受けて設計や監理を行い、施主は、それぞれの専門工事会社と直接契約を交わします。施主の恩いが反映されやすく、価格が透明な家づくりです。



『オープンシステムだと、どれくらい安くなりますか?』

とよく聞かれますが、これは結構難問です。というのは住宅建築自体がどれも同じものではないからです。車のように出来上がったものを安いところで買うということが基本的にできません。

ハウスメーカーと同じ仕様では?ということでも、メーカー独自で造り出してきた建材やシステムをそのまま利用することはできません。地場の工務店もこれまでの施工ノウハウを駆使してコストダウンを計っている工事も多々あるでしょう。住宅1棟には何千種類という建築部材が必要ですが、この組み合わせたるやいわゆる天文学的数字になりそうです。

ですから、安くなることは経験的に判ってはいるのですが、どれくらいかという具体的な数字を出すのは難しいのです。場合によるというほか答えようがありません。

ただ間違いなく言えることは、オープンシステムは、

『同じ予算であれば一番多く工事原価にかけれる』

ということです。表はパターンごとに見た経費と工事原価の割合を示しています。一般的に、ハウスメーカーの経費(粗利益)は契約金額の約30〜40%、工務店では約20〜30%と言われています。

この経費の中には、設計や現場管理費のほかに広告宣伝費・営業経費・モデルハウスや工場などの維持費等も含まれます。設計事務所+工務店のパターンでは工務店が設計費用を除ける分少し安くなりますが、トータルで25〜35%ぐらいです。

オープンシステムは建築主のためにオリジナルな設計を行います。そして、工務店やハウスメーカーは利用しないので、その仕事も補完します。それにもかかわらず、約15〜20%の経費に抑えられるのは、宣伝・営業などの経費をかけない等のスリム化に成功しているからでしょう。

工事原価とは、専門工事会社の工事費の合計、いわゆる直接工事費です。そしてこれはどのパターンの家づくりに関しても唯一共通する部分でもあります。

直接工事費に使える金額が大きいほど、建物の内容は充実します。オープンシステムは実に80〜85%にも達しています。

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